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2022/08/21 19:31

※この記事は「空飛ぶ創造性メルマガ」として株式会社Gonmatusから2021年10月に配信されたものです。

こんにちは。
小説家の野間美智子です。

久しぶりのメルマガです。
ずいぶん長い間おやすみをしましたが、また読んでいただけたらうれしいです。

以前にも書きましたが、9月15日から22日(帰国は23日)まで、フランスは南のモンペリエというところに旅行に行ってきました。


(モンペリエの写真)

実はまだ二週間の隔離中で、今週の金曜(8日)に、やっと明けます。

「世の中はもう緊急事態が明けているのに……」と、思わなくもないですが、仕方ありません。

旅行中だった9月18日、

「フランスは、日本に帰国して三日間の強制ホテル隔離対象から外される」

という嬉しい報せを、みんなが教えてくれました。
ですので、ホテルの隔離はなしに、二週間の間、ずっと自宅でじっとしています。

隔離の間、公共交通機関は使えませんが、買い物と散歩は許されているので、実はいつもとそんなに変わりません(笑)。

この日本政府と厚生労働省が要請する自宅隔離(自主隔離とも言いますが)に至るまではどういうプロセスかというと。

・飛行機に乗る前。
厚生労働省から指定されたアプリを2つ、帰国前にダウンロードしてアカウント登録。
位置情報と濃厚接触者を確認するため。

  ↓

・厚生労働省のホームページにある質問票を解答、帰国前にQRコードに変換する。

  ↓

・空港に降り立つと、検疫が始まり、いろんなセクションを歩かされる。
PCR検査陰性証明書を提出(日本国指定の検査方法とフォーマット)、
アプリダウンロード確認・アカウント確認、
QRコード読み取り、
メールの受信の確認
(これを一気にやるのではなく、オリエンテーリングのように歩かされ、一つ一つこなしていく)

  ↓

・ここでやっと抗原検査。唾液採取。
気泡がたくさんあるとダメで、基本、かなりの量を取らされる。

  ↓

・待機室(要は空港の待合)で番号が出るまで座って待機。
約30分で結果が出る(時間はおそらく人数に寄るのだと思う)。
陰性が証明されると、晴れて、やっとここから出国審査のブースへ。

  ↓

・私達はホテル隔離がなかったので自由に出国審査に行けたが、隔離のある国(例えばイギリス)では、係員が一列に並ばせて誘導。
ホテルまで団体行動をしなくてはならないらしい……(ほんと大変)。
(ちなみにホテルへはバスで移動。両国、横浜などらしい)

  ↓

・出国審査を経て、荷物を受け取り(私はANAを利用しましたが、荷物がキレイにカートに乗せられて並んでいました……待ってる間に係の人がやってくれるなんて。感動と同時にここはハワイか! という気持ちに)、税関に進んで、公共交通機関を使わずに、自宅に帰る。

  ↓

・翌日から、
アプリで位置情報の確認(アプリのボタンを押す:日に2回)、
AIが電話をかけてくるので、画面に向かって無言で30秒停止(居場所特定)。一日一回。10時~12時の昼ごろが多め。
健康状態の報告(一日一回)。
到着してすぐのころは、時差で睡眠が不規則だったため、AI電話に二回ぐらい出られなかったことも。
(※そしてこのアプリ監視が知人のフランス人からとても不評。ストレスになるらしい)


……今現在も、こんな感じで進行中です(笑)。(金曜まで頑張ります!)

「水際対策はしっかりと!」という意見が多いのは百も承知で言いますが……旅行者の立場からすると、はっきりいって、「無駄にお金をかけすぎなのでは?」というのが、個人的な感想です。

こんなに色んな事をしなくてはならなければ、海外に住む日本人はもちろんのこと、ビジネス出張で来ても、あまりに面倒で、滞りを生むだろうなということは、容易に予想できます。

経団連が隔離を14日から10日にしろと、政府に言ったのもうなずけます。

日本に来たのに2週間、何もできなければ、もうそれは「何しに来たの?」という感じでしょう。

では、フランスはどうだったのか?

以前の記事でも書きましたが、フランスの入国に必要なのは、

・ワクチン接種の証明書(自治体が発行する英語のもの)または72時間以内のPCR検査の陰性証明
・濃厚接触者との接触がないことを書いた宣誓書(フランス大使館ホームページからダウンロード)
・パスポート

これだけです。
入ったその日から、検査もなしに移動もできます。

そして、入国審査の際、パリからモンペリエのトランジットだったせいなのかもしれませんが……検査官は用意した書類を「まったく見なかった」のです(笑)。

隣の検査官と楽しそうに話しながら、パスポートにスタンプを押して終わり。

ワクチン証明書も、誓約書も、本当に、チラリとも見なかったのです!(誓約書頑張って書いたのに)

C'est la France.(セ・ラ・フランス)
いいでしょう。
こういう国だってことはわかってましたよ(笑)。

基本的にフランスの人たちが重視しているのは「ワクチン2回打ったかどうか」だけなのです。
飛行機乗ってる時点で「大丈夫でしょ」ということなのです。
(日本はオレンジ国になったとの情報もありましたが、出発カウンターでANAに確認したらグリーン国の扱いでした)

出発前に「衛生パス」(ワクチンパスポート:QRコードになってます)の外国人版を申請していましたが、こちらは結局、旅行から帰ってきた9月27日に結果が来ました。
(旅行は当然終わってるので「拒否」の回答です……)

出発の12日前から申請していたのに、です。
友達はちゃんと出発前に申請が降りていたのに……。

とはいえ結論から言うと、この「衛生パス」は、英語の接種証明があればなんとかなりました。
「なんとかなる」というのは、そのつど口頭で説明し、ワクチンを打っていることがわかればいいのです。

私は、

「もう10日以上前に申請したのに、まだ降りないんです!
でも見て? 
ここにモデルナって書いてあるでしょ? 英語で。二回打ってるから」

と、レストランに入るたびにフランス語で説明していました(いい勉強になりました)。

そしてレストランによっては、もう衛生パスの確認をわざわざしないところも結構あるのです(笑)。

もう今や、晴れた日は誰もマスクをしていません(雨の日はしているけど)。
「マスクは公共の義務だよ」という張り紙がしてあってもです。

さすが南仏。
ラテンです。おおらかです。
(おそらくパリはもう少し厳しいかもしれません)

ああ、どうしてこうも正反対なのでしょう。
中間はないのでしょうか?(笑)

「日本がいい」とも「フランスがいい」とも、一概には言えませんが、私はやっぱり「中庸」って大事だなとつくづく思いました。

今回は、まずは事務的なことを書いてみました。
次回はフランス旅行の中身について書いていきたいと思います。

(※この情報は9月23日時点の帰国情報です)

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