子どものころから、とにかく物語を書くのが大好き。
小学生のころは落書き帳にマンガを。
中学生のころはノートに小説を、毎日書いていました。
あまり本音を話すことが上手でない私の、現実世界との折り合いをつける行為だったのだろうと思います。
小説家を目指そうと思ったのは中学のころ。
友人が病気で亡くなり、とても長い時間をかけて死について考えたり、心に言いようのない淋しさのようなものを抱えていました。
夏目漱石の『こころ』を読んで、小説を書くことは好きだったけれど、
「ああ、こんな風に書けたら、すごくいいな」
と、漠然と思っていました。
今でも小説家として目指しているのは、その時の気持ちの有りようですが、でも、もっと違う形もあるなという気がしています。
人は苦悩や苦悶に目がいきがちでしたが、それは時代がそうさせていたような気がします。
これからはもっともっと、人は自由で明るく、楽しくていい。
重力を感じないで軽く弾むような。
歩いているそばから颯爽とした風が吹くような。
もし文学というものが、重々しい役割を終えて、これからの新しい時代に、まだ求められるなら。
読み終えたあとに、ずるっと重い殻を脱いで、つるつるとしたゆで卵のような、さっぱりとした気持ちになる物語。
そんなことを書いていけたらいいなと思っています。
1977年 | 11月5日、母の実家である東京都葛飾区にて生まれる。すぐに愛知県春日井市へ。 高蔵寺ニュータウンで育つ。 |
1996年 | 愛知県立瑞陵高等学校卒業。 |
2000年 | 愛知淑徳大学文学部国文学科言語文化コース卒業。 旅行会社に就職。 |
2003年 | 旅行会社を退社。 同年、「ぶらざあのっぽ」小山高生氏主宰の「アニメシナリオハウス」を受講。 |
2004年 | 伊藤美智子名義で『女子高生』CDドラマにて脚本家デビュー。 |
2005年 | 『涼風』にてアニメ脚本家デビュー。 |
2006年 | 結婚。旧姓の「伊藤美智子」を筆名として使用。 以降『とある科学の超電磁砲』、『エレメントハンター』、『世紀末オカルト学院』、『テガミバチ』、『WORKING!!』など、複数の作品に参加。 |
2010年 | 『おおかみさんと七人の仲間たち』にて初シリーズ構成。 『世紀末オカルト学院』ノベライズの短編小説を書く。 またまた小説を書きたい気持ちが、むくむくと生まれる。 |
2011年 | 「このままでは仕事人間になってしまう!」という恐怖から、フランス語を趣味で始める。 初めてのフランス旅行はオーベルニュ地方のル・ピュイ・アン・ヴレイへ。 |
2013年 | 『幻影ヲ駆ケル太陽』で全13話オリジナル脚本を執筆。 ノベライズ版を「NEW TYPE」にて連載。 この年から2018年まで、毎年フランスへ、語学留学をするようになる。 フランスで修行するシェフをテーマにしたノベライズ『食戟のソーマ a la carte』を執筆、出版。 |
2015年 | 『さくら×ドロップ』にて、第一回小学館ジュニア文庫小説賞・大賞受賞。出版。 ノベライズ『食戟のソーマ a la carte』のスピンオフ、四宮小次郎を主人公にした『食戟のソーマL'etoile』のストーリーを担当。 ジャンプ+にて連載(2019年終了)。 |
2016年 | 小説『ドロップ』シリーズ、『ちえり×ドロップ』、『みさと×ドロップ』出版。 以後、五年にわたる休筆期間に入る。 |
2017年 | アニメ『ツインエンジェルBREAK』のシリーズ構成、脚本をもって、脚本家としての活動を終える。 |
2019年 | 休筆期間中のアルバイト先で、ジェームズ・ワンレス氏開発のボイジャータロットと出会う。 講座、検定を経て、現在、ボイジャータロットジャパン公認・マスターティーチャーに。 |
2021年 | オパセラピスト、オパアセスメンターの認定を受ける。 |
2022年 | 小学館ジュニア文庫からタロットを題材にした『猫占い師とこはくのタロット』を出版。 |
筆名「伊藤美智子」での作品は
[Wikipedia]伊藤美智子をご覧ください。
私は2011年から継続的に、趣味としてフランス語を続けています。
はじめてフランス語に興味を持ったのは高校生のころでした。
友人が勧めてくれたCDに、フランス語の歌があったのです。
日本人の女性シンガーでしたが、英語とも日本語とも違うその音の響きに魅了され、フランス語を習ってみたいというモチベーションになりました。
大学でも勉強しましたが、その時は他のことにも興味があって、中途半端な勉強で終わってしまっていました。
2004年にアニメのシナリオライターになって七年が経ち、仕事が忙しくなってきていた頃、
「このままでは仕事だけの人間になってしまう」
そんな謎の危機感にとらわれた私は、何か趣味を持とうと思いました。
それがフランス語です。
「ちょっと旅行に行って話せればいいかな」
ぐらいに思っていたのが、年を重ねるごとにはまっていき、年に一度、語学留学をするほどに情熱を持って勉強していくことになりました。
『食戟のソーマ・a la carte』の中でも、フランスのエピソードを書くヒントをもらったりして、フランス語との関わりは年を追うごとに深くなっていったのです。
「フランス語のどんなところが好き?」
例えばそう質問されたら、答えたいことはたくさんあります。
まず、冒頭にも書いたように音の響き。
なんとなく「かっこいいから」という理由。
でも、勉強を続けていくうちに、もっともっとはまっていく理由がわかってきました。
それは、なんといっても、考え方が良くも悪くも日本文化と「正反対」であること。
言葉の組み立て方も、社会の成り立ちも、知れば知るほど「全然違う!」と感じることが、私にとってはとても刺激的でした。
「これは相手にとって失礼にあたるかも」と思うことも、フランスではまったくタブーではなかったり。
逆に、日本ではタブーではない話が、フランスではタブーなこともあります。
フランス語を通してフランス文化を学んだことにより、私の中の小さな世界は一回りも、二回りも広がり、豊かになっていきました。
それにともなって、私の言語の森も大きくなっていきます。
日本語だけではなく、フランス語を知ることで、木が林になり、林が森になるみたいに。
その森には泉があって、鳥が歌を奏でているみたいに。
そんな楽しい世界の広がりを、フランス語を学ぶことで感じさせてくれます。
フランスを好きになることで凝り固まった価値観を解きほぐして、でも、外側から日本を見ることで、日本のいいところもたくさん認識することができ、世界はつながっているんだなと思えるのです。
そしてもう一つ。
フランスの人達の「日本文化」に対してのリスペクトの高さも驚きでした。
私がアニメの脚本家をやっていると言うと、日本にいるときよりも、もっともっと驚きを持って見てくれ、いろんな質問をしてくれます。
当時の日本では、まだアニメが世界に広がっているということを、実感できていなかった頃で、私は自分を「アーティストではなく職人」と思っていましたが、そんな小さなカテゴリー分けが馬鹿馬鹿しくなるぐらい、フランスの友人たちは「日本のアニメ」や「アニメ脚本家」に敬意を持って接してくれました。漫画家に対してももちろん同様です。
「何かを創っている人間は、有名であろうとなかろうと、等しく素晴らしい」
その価値観に触れたことが、小さな国でへこんでいた私の自信を、取り戻させてくれたのです。
元々、芸術やアート、クリエイティブなことに対して豊かな知見を持っているフランスの人たち。
街中にはたくさんの、おそらくプロではないかもしれない画家やイラストレーターの絵が普通に売られているし、そういった場所もたくさんあります。
今では日本にもたくさんありますが、アパート全体をアーティストに提供して、それぞれの階でそれぞれが好きな表現をしたり、古いお城で前衛アーティストの作品を展示して、新しい表現として表していく。
そんなことが、パリだけでなくフランス中で気負いなく行われているさまは、やっぱり文化的に成熟した国なのだなと感じます。
「個を尊重する」ことを大切にするフランス文化が、私はとても大好きです。
これからも楽しく、もっともっとレベルアップしていければいいな、と思っています。
私は小説や文筆の仕事の他に、友人や知人の紹介の方限定で、『ボイジャー・タロット』というタロットを使った鑑定や、脳の機能と波動を合わせた独自のリーディング法を利用する『オパ』というメソッドで、依頼してくださった方をリーディングをしたりしています。
「見えない世界」。
そのように聞くと、みなさんはどんなことを想像されるでしょうか?
私にとって「見えない世界」は、全然身近ではありませんでした。
子どものころに、特に何か不思議なものが見えるわけでもなく、アニメやマンガのような不思議な能力があるわけでもありません。
でも、そういう世界が「あるんだろうな」と思っていましたし、どちらかというと好きだったり、憧れが強い方だったと思います。
きっとどんな人も、子どものころはそうなんだと思います。
そんな私がボイジャータロットに出会い、知人や友人を鑑定しているうちに『猫占い師とこはくのタロット』を書くに至るまでには、さまざまなことがありました。
(そのあたりの出来事は、過去のメルマガに書いていますので、ここでは割愛します)
今ではボイジャー・タロットも、脳メソッドであるオパも、私にとっては切っても切り離せないものになりました。
もし、そういう世界に少しでも興味があって、でも、よくわからないと思っている方がいらっしゃいましたら、よかったら、ぜひメルマガを読んでみてください。
日々の日常の中にある「見えない世界」。
そんな話もときどき書いています。
2022年4月から、神保町にある本屋、Passageに棚を借りて「boucles(巻き毛)」という名前で出店し、有志で棚主が選んだ本を並べています。
その月ごとに、担当者のおススメ本を、棚にご用意しています。
神保町にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
写真撮影
Guillaume Tauveron
(ギヨーム・トーブロン)
トップページデザイン
Marsa
制作・実装
Di-na Di-na
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